
珍しいネーミングなので、ご存知の方も多いかもしれません。その名の通り、東京生まれの豚です。しかも、この豚が産声をあげたのは、東京都畜産試験場(現在:青梅畜産センター)で、れっきとした青梅産です。名前にある「X」は、TOKYO X生産組合のホームページによると、「おいしい肉質の豚をかけあわせて生まれた」という意味で名付けられたようです。肉質がなめらかで味が良い『バークシャー種』、脂肪交雑が入り生産性の高い『デュロック種』、そして脂肪の味と質、肉色が良い『北京黒豚』の3つの品種の良いところだけを取り入れ、おいしさを求めて改良した日本初の合成豚。おいしいこと請け合いです。
1967年に第1回目を開催した青梅マラソンは、市民マラソンの草分け的存在の大会です。実はコースとしては、10kmと30kmの2つのみ。距離としては短いものの、フルマラソンに匹敵するほどの厳しいコースになっており、その理由は85.8mのアップダウンの激しい標高差にあります。それでも参加者が頑張って完走できるのは、ボランティアのサポートや沿道からの温かい声援があるからだといいます。まさに地域に根差した市民マラソン。毎回有名人も数多く参加しており、青梅信用金庫の職員もボランティアだけでなく、出場者としても参加し、健康的な汗を流しています。第1回目の出場者数は337名でしたが、近年では17,000~18,000名のランナーが出場。年々、大きな盛り上がりをみせています。
JR中央線(青梅線)を使えば、青梅駅から新宿駅までは約1時間で到着します。電車の本数に関しては、青梅駅から10分おきに出発しており、実は利便性の高い東京の穴場エリア。拝島駅で乗り換えれば、西武新宿線も利用でき、都心に出やすい立地でもあります。青梅から西へ少し足をのばせば、緑や水が豊かな奥多摩エリアがあり、周りには自然も豊富です。こうした自然はもちろん、都会からも近い街として、今、密かに注目を集めているのが「青梅」です。
多摩・武蔵野エリアは、山に囲まれ、川が流れる、緑豊かなエリアとして有名ですが、都心23区と比べると、標高の高低差も大きいのが特徴です。あおしん調べによると、最高の標高は奥多摩町にある雲取山2017m。最低の標高は、清瀬市下宿の20m。その差はなんと、約1997m!この値は、東京スカイツリー(634m)のおよそ3倍以上です。
多摩・武蔵野エリアには、30の市町村があります。各自治体の紋章は個性あふれるものばかりですが、意外に共通する点も多く、一番の共通ポイントは、自治体の名前を表現した紋章だということです。例えば、1917年に市として制定された八王子市の場合は「八」と「王」、東久留米市は「ひ」、清瀬市は「き」のそれぞれの頭文字を図案化したデザインなどが、これに該当します。文字だけでなく、「飛翔」「飛躍」の象徴である鳥のイメージを付加したマークも少なくありません。代表的なのが、青梅市、福生市、東村山市、武蔵村山市などです。改めて紋章を見比べてみると、その自治体の特徴や紋章に込めた想いがわかって、地域を知るきっかけにもなると思います。ぜひ一度試してみてください。
数年前までは、中高年層向けのレジャーだった山登り(ハイキング)が、「山ガール」に象徴されるように若者たちにも人気のアウトドアになりました。そして、登山コースとして人気なのが八王子にある高尾山(599m)です。世界一登山者が多い山としても世界的に有名になりました。その火付け役となったのが、2007年にフランスのミシュラン社が出している旅行ガイドブックで最高ランクの三ツ星の観光地として選出されたことだと言われています。日本の山で三ツ星の最高点が付けられたのは富士山と高尾山のみ。首都圏からもアクセスがよく、7つの登山ルートがあり、経験者はもちろん体力に自信のない登山初心者でも山登りを楽しめる「手軽さ」が魅力の1つになっているようです。
2000年12月に東京都で公表された基本構想「東京構想2000」において、東京圏の新たな都市構造として「環状メガロポリス構造」が発表されました。これは、都心のセンター・コアを中心に、ノース・コア(さいたま)、イースト・コア(千葉市幕張)、サウス・コア(横浜・川崎)、ウエスト・コア(多摩)を設定し、核となる都市では、商業などの多様な機能と住宅が複合した市街地の建設が想定されています。この構想にもとづき、該当エリア一帯では再開発が進行。ますます利便性の高い街づくりが行われています。
1961年8月に、昭島市の多摩川に架かる八高線の鉄橋付近で、全長16mのクジラの全身化石が見つかりました。約160万年前の地層から出てきたと考えられています。また2006年9月には狛江市の多摩川左岸の河床から、約120万年前のジュゴンの仲間である大型海牛(カイギュウ)の全身骨格の化石が発見されました。このことからわかるように、100万年以上前は東京も武蔵野も海の底。調べによると、この海は「古東京湾」という名が付いていて、このあたりには魚はもちろんクジラなども泳いでいたようです。
ちなみに、昭島で見つかったクジラは「アキシマクジラ」と呼ばれ、現在は群馬県立自然史博物館に保管されています。また、骨の一部は昭島市役所1階のロビーに展示されております。
武蔵野・多摩エリアは、四季を通して彩りあふれる花々を、至る所で楽しむことができます。
青梅市にある「吉野梅郷(よしのばいごう)」は関東でも有数の梅の名所として知られていました。しかし、ウイルス感染拡大を防ぐため大規模な伐採が行われ、しばらくはこの梅が見られない状態になっています。なんとも残念な限りです。しかし、このエリアの名物は梅だけではありません。
その後に見頃となるのは、武蔵村山市にある野山北公園のカタクリの花です。雑木林の斜面に約2万株が群生しています。そして桜では、最も有名なのが井の頭恩賜公園(武蔵野市)。井の頭池を囲むように植林されている約250本(公園全体では約500本)の桜が池をせり出すように咲く様子はまさに圧巻です。その他にも六道山公園(瑞穂町)の山桜や、多摩森林科学園(八王子)の桜の保存林も、近隣では名の通ったお花見スポット。5月になると、立川市の昭和記念公園にある約12万株のポピーが色鮮やかに花咲き、神代植物公園のばら園も見頃を迎えます。6月には北山公園(東村山市)の約170種類、10万本の花菖蒲が咲き乱れます。秋の10月には、昭和記念公園で今度はコスモスが、白やピンク、黄色の鮮やかな色彩で咲き誇ります。
JR青梅駅を降りると、まず目に飛び込んでくるのは、駅の地下道にある映画看板でしょう。さらに駅を出て街を歩けば、至る所で、同じような古い映画看板が皆さんを出迎えてくれるはずです。実際、昭和40年代まではこの地に映画館が3つあり、世代を問わず人々が足繁く通い、繁華街を中心に街は栄えていたといいます。この他にも、昭和の頃の懐かしいお菓子・玩具などを展示している「昭和レトロ商品博物館」や昭和を代表する天才漫画家・赤塚不二夫のイラストや写真、来歴などを紹介する「青梅赤塚不二夫会館」などがあり、街の風情と相まって、昭和レトロな味わいに癒やされることでしょう。一説によると、この「昭和レトロ」というフレーズを最初に使ったのが「青梅」だと言われています。今では、青梅の街おこしのキーワードになっているこの言葉。一度街を見れば、その理由も納得できるはずです。